人を知る
PEOPLE SHINCHOSHA

Profile
2017年入社。
週刊新潮編集部、バンチ編集部を経て2021年よりくらげバンチ編集部
『くらげバンチ』で漫画の編集をしております。主な業務は、連載作品の企画立案や担当作品の更新、またその作品に付随する宣伝や販促です。作品が売れて話題になればなるほど、経験のない仕事が増え、作品の底力に気付き、編集者としてのやりがいを感じます。
私の担当作品の一つに『沖縄で好きになった子が方言すぎてツラすぎる』(通称:沖ツラ)があります。この作品は、私がコミック編集部に異動して初めて手がけたものの一つで、なんとアニメ化も決定しました。アニメの資料や脚本のチェック、アフレコへの同席など、今まで経験したことのない仕事に取り組める楽しさがあり、『沖ツラ』がご当地漫画であるが故に、テレビ・ラジオなどの各種メディアに取り上げて頂いたり、自治体にコラボのご提案なども頂いたり忙しくしています。漫画編集歴5年ですが、まだまだ取り組めていない仕事が沢山あります。
作品を通して、様々な形で反響を頂きますが、何よりも嬉しいのが、読者の生の声を聞けた瞬間です。2023年の夏に新刊発売とアニメ化を記念して『沖ツラ』のサイン会が開かれました。そもそも沖縄県は、地理的条件から、サイン会があまり開催されません。ましてや漫画家さんのサイン会となると、滅多に開催されないとのこと。本当に人が集まるのかソワソワしていたのですが、書店様、著者のSNSでの告知、営業部など多くの方々のご尽力もあり、コミック発売からまもなく無事サイン会チケットは完売! 当日には、海外の方から、小学生、車椅子のご老人まで、実に幅広い読者の生の声を聞くことができました。アニメ化を目前にして、時間がないながらも、もっともっと作品を盛り上げていかなければならないなと実感しました。

入社後一番の思い出
2020年7月、自分で初めて手がけた作品のコミックが刊行されました。全てが初めての作業で、ない頭を振り絞って出来上がったキャッチコピー、見落としが心配な書体統一やページの差し替え漏れなど、校了するまで、気が気ではありませんでした。校了したら修正などは出来ないので、ひと段落かと思いきや、以降も全く気が抜けません。というのも、コロナウイルスの影響で書店がいつ閉業してもおかしくない状態だったからです。書店が閉まらないよう祈りつつ、売れ行きが心配でそわそわする毎日……。そんなある日、営業部からの電話で目が覚めます。なにか重大なミスをしてしまったか……と思いきや「重版決まりました!」。今までロクな電話で起こされることがなかったのですが、人生で一番幸せなモーニングコールでした。
ある日のスケジュール
- 9:30
- ベッドの中で、YouTube視聴。動画が面白いのが悪いんだと言い訳しながら、つい見てしまう……
- 10:30
- 起床
- 13:30
- 出社
- 14:00
- 印刷所から頂いたデータをチェック、原稿の校了作業を行います
- 15:00
- 作家さんとの新連載の企画でカフェに。いいアイディアが出ない時には、直接会って話すうちに名案が浮かんだりもします
- 17:00
- 帰社して遠方に在住の作家さんと電話で打ち合わせ
- 18:00
- 漫画賞に応募頂いた作品をチェック。将来の大ヒット作家さんが見つかるかも⁉
- 20:00
- 新刊コミックのデザイナーさんを選定
- 23:00
- 他の編集部の友人と飲みに行って情報交換
- 26:00
- 帰宅
- 27:00
- 就寝
Off-Time
新潮社内にある軽食の自販機。1番のカップ麺を落とせば、13番の手前にひっかかっているお菓子も一緒に落ちるのではと思って課金してしまいましたが、やっぱりカップ麺しか買えませんでした……。

就職活動中の皆さんへ
漫画業界において、新潮社はかなりの後発です。また編集部員の数もまだまだ足りません。そんな環境だからこそ、新連載の企画や新規事業の提案など、若手が活躍する場が多くあります。まず新連載に関してですが、バンチコミックスの年間刊行点数は少ないので、新人でもすぐに新連載を手がけられます。また新規事業に関しても、実際にくらげバンチで新設した「スポーツ漫画賞」や、新潮社初の「なろう系」作品も、新人編集者が企画しました。新潮社は後発だからこそ、やれることが沢山あります。やる気のある方のご応募をお待ちしております。
